「先生、裁判所から罰金来たわ~~!」
知り合いの会社の社長さんからの電話の第一声です。
この会社、ずいぶん以前に資本金の増額を登記したときに、
「もうすぐ任期が満了しますから、忘れず登記しないとだめですよ。放置したら過料を払わされますよ。」とくぎを刺しておいたのですが。
あれから数年、こちらも忘れたころ、別件で相談があり、ついでに会社の登記簿を確認したら、役員変更登記がされてませんでした。
とっくに任期が満了していること、登記申請をすると過料が来るであろうこと、しかし放置すればするほど過料が高くなるであろうことを伝え、役員変更登記をすることにしました。
前回の取締役の就任は平成16年。監査役は平成14年。
平成18年の会社法改正時に、任期を10年にしていました。
この場合、任期の起算は平成16年と平成14年ですから、取締役は平成26年に、監査役は平成24年に任期が満了しています。
監査役に関しては4年近くも放置していることになります。
役員は、任期が満了したら、次も同じ人が役員になるにしても役員変更登記(重任)が必要です。
これをしないと、会社法違反となります。
今回、役員変更登記を行ったことで、役員の登記を怠ったことが法務局から裁判所に通知がされ、裁判所で過料を決定したわけです。
その額、ウン万円。
裁判所から社長の自宅に通知が届くものですから、社長は驚きます。
さらにあけてびっくり、会社法違反事件と書かれています。事件です。
そして、主文 被審人(社長さん)を過料金ウン万円に処する。と書かれています。
なんだか、めちゃくちゃ悪人のようだとおっしゃていました(笑)。
社長は、登記をしなければならないことについて、「そんなん知らんがな~」と言います。
しかし、通知書には不服申し立てができると書いてはあるものの、
登記を遅れた理由が、「知らなかった」「うっかり忘れていた」「依頼していた司法書士のミスで遅れた」というような理由で認められたためしはない、としっかり書かれています。
会社の社長である以上、会社法は当然知っているはずで、登記を忘れたなどというような理由は通用しませんと、いうことなのでしょう。
つい忘れがちな役員登記。気をつけましょう。
前回登記してから、そろそろ10年、経ってませんか?
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