2016年3月29日火曜日

役員変更登記の放置と過料

「先生、裁判所から罰金来たわ~~!」

知り合いの会社の社長さんからの電話の第一声です。


この会社、ずいぶん以前に資本金の増額を登記したときに、

「もうすぐ任期が満了しますから、忘れず登記しないとだめですよ。放置したら過料を払わされますよ。」とくぎを刺しておいたのですが。


あれから数年、こちらも忘れたころ、別件で相談があり、ついでに会社の登記簿を確認したら、役員変更登記がされてませんでした。


とっくに任期が満了していること、登記申請をすると過料が来るであろうこと、しかし放置すればするほど過料が高くなるであろうことを伝え、役員変更登記をすることにしました。



前回の取締役の就任は平成16年。監査役は平成14年。

平成18年の会社法改正時に、任期を10年にしていました。

この場合、任期の起算は平成16年と平成14年ですから、取締役は平成26年に、監査役は平成24年に任期が満了しています。

監査役に関しては4年近くも放置していることになります。


役員は、任期が満了したら、次も同じ人が役員になるにしても役員変更登記(重任)が必要です。

これをしないと、会社法違反となります。


今回、役員変更登記を行ったことで、役員の登記を怠ったことが法務局から裁判所に通知がされ、裁判所で過料を決定したわけです。

その額、ウン万円。


裁判所から社長の自宅に通知が届くものですから、社長は驚きます。

さらにあけてびっくり、会社法違反事件と書かれています。事件です。

そして、主文 被審人(社長さん)を過料金ウン万円に処する。と書かれています。

なんだか、めちゃくちゃ悪人のようだとおっしゃていました(笑)。


社長は、登記をしなければならないことについて、「そんなん知らんがな~」と言います。

しかし、通知書には不服申し立てができると書いてはあるものの、

登記を遅れた理由が、「知らなかった」「うっかり忘れていた」「依頼していた司法書士のミスで遅れた」というような理由で認められたためしはない、としっかり書かれています。


会社の社長である以上、会社法は当然知っているはずで、登記を忘れたなどというような理由は通用しませんと、いうことなのでしょう。


つい忘れがちな役員登記。気をつけましょう。

前回登記してから、そろそろ10年、経ってませんか?
















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