2016年1月23日土曜日

不動産しか相続財産がないとき、遺産をどう分けるか

相続が発生すると、遺産をだれとどのように分けるかが問題になります。


有効な遺言がなければ、相続人全員で決めることになります。

誰と分けるか、については、相続人がだれになるのかということなので、わりと簡単に判明します。

同時に、相続分がどうなるかということも簡単に判明します。


問題になるのは、どのように分けるかですね。

相続財産がたくさんあって、種類が多い場合、比較的遺産分割しやすいでしょう。

例えば、不動産があって、預貯金や現金もあって、そのほかに金融資産などがある場合です。

不動産は配偶者に、貯金は長男に、金融資産は長女に、という感じで遺産の形を変えずにそのままの状態で分けることができます。
もっとも簡便で、よく用いられる分け方です。
また、預貯金や現金などは金額で分割できるため、遺産分割の不公平をなくすための調整にも使うことができて便利です。

こういう遺産分割の仕方が現物分割です。


しかし、相続財産が不動産だけ、という場合は少々やっかいです。

現物分割で、だれか一人の相続人に不動産を相続させるのであればいいのですが、
相続人全員で分けたい場合、不動産をハサミで切って分けることはできません。

不動産を相続人全員の共有で登記するのは、後のことを考えるとあまり得策ではないでしょう。

そのような場合、不動産を一人の相続人に相続させ、他の相続人には、不動産を取得した相続人が相続分に見合うお金を支払うという遺産分割方法をとることがあります。

不動産を取得する相続人に、金銭的な余裕がある場合に用いられます。
これを代償分割といいます。


不動産を取得する相続人に金銭的な余裕がない場合、どうするか。

その場合、不動産を売却し、金銭に変えてから分配するという方法があり、これを換価分割といいます。

もう不動産は相続しても仕方がない、住む予定も、使う予定もないという場合にも用いられる方法です。

換価分割の場合、譲渡所得税がかかる点に注意が必要です。


事案に応じた遺産分割の方法があることは知っておくとよいかと思います。

遺産分割について詳しくはホームページもご覧ください。

→ 司法書士いまよし事務所:遺産分割協議


なお、相続税がかかる場合、死後10か月内に申告が必要なので、遺産分割は早めにする必要があります。





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